熊本の伝統的工芸品

工芸品とは、緻密な手作業によって実用性を重視した手工業品のことです。国の伝統的工芸品に県内では4つの工芸品が指定されています。また、熊本県指定には80以上の伝統的工芸品があります。ここでは国指定の伝統工芸品をご紹介します。

肥後象がん(ひごぞうがん)(平成15年国の伝統的工芸品指定)

肥後象がんは、鉄砲鍛冶として加藤清正に仕え、改易後、細川忠興(三斎)に仕えた林又七(はやしまたしち)(1613~1699年)が鉄砲の銃身に象がんをほどこしたことが始まりとされています。又七は京都で布目象嵌を学び、二重唐草、渦巻きなどの模様を布目象嵌した肥後鐔を作り、肥後象がんの祖と云われています。肥後象がんの作風は、武家文化の精神である 派手さをおさえた上品な奥ゆかしい美しさが特徴です。

山鹿灯籠(平成25年国の伝統的工芸品指定)

山鹿灯籠は室町時代から続く工芸品で、木や金具は一切使わず、和紙と糊だけでつくられています。また、柱や障子の桟にいたるまで中が空洞となっていて、非常に軽いのが特徴です。設計も単純なミニチュアではなく、制作者独自のスケールでつくられています。灯籠制作者は灯籠師と呼ばれ、高い技術と熟練を要するため1人前になるまで10年はかかるとされています。

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山鹿灯籠振興会

小代焼(平成15年国の伝統的工芸品指定)

荒尾市にある小岱山(しょうだいさん)は古くから鉄の産地であり、焼き物に適した土がとれていました。寛永9(1632)年に豊前から転封(てんぽう)された細川忠利が陶工の牝小路家(ひんこうじけ)初代源七(丹後の国生まれ)、葛城家初代八左衛門を従え、藩主の命によって焼き物を焼かせたのが始まりとされています。鉄分の多い小岱山の粘土を原料とし、灰釉の流しぐすりをかけるというのが特長です。荒尾市、南関町、長洲町、嘉島町、宇城市の窯元で作陶され 現在12の窯元があります。

天草陶磁器(天草陶石)(平成15年国の伝統的工芸品指定)

磁器づくりの盛んな天草には、それぞれ特徴のある30以上の陶磁器窯元があります。その理由の一つが天草陶石です。天草西海岸地域で掘られる陶石は日本一の品質と埋蔵量を誇り、江戸時代には平賀源内が天草陶石は天下無双の良品と称したと記録されています。現在でも質量ともに世界一で、有田焼など日本の磁器の7割の原料となっています。
島内には高浜焼や水の平、内田皿山焼など、江戸時代から続く窯元があり、毎年11月1週目の日曜にある「天草大陶磁器展」には80以上の陶磁器窯元が集まります。